社員に強い気持ちをもたせる/『ガード下の赤ちょうちんから、愛を込めて。』no.15

『ガード下の赤ちょうちんから、愛を込めて。』vol.15
今日もガード下にある、壁は油まみれの安い焼き鳥屋では、ある中小企業の社長と私、佐藤が、打ち上げと称して食事をしています。
社員に自信を持って仕事に取り組んでもらいたいと思う経営者は多いようです。
私が新卒で入社した会社では「根拠のない自信」と「謙虚な姿勢を持つこと」という行動指針が掲げられていました。
一見すると、対極にあるような言葉ですが、両方のスタンスを持つことは難しいことではありますが、大事なことだと習いました。
しかし、自信を持つこと、謙虚になることと言葉で言われても、実際にどうすればよいのだろうと悩んだこともあります。
先日、ふとしたきっかけで、ある記事を読みました。
プロ野球選手の話なので、野球に興味のない方には申し訳ないのですが、ためになる話でしたのでお伝えしたいと思います。
この選手は、東京ヤクルトスワローズに所属する青木宣親選手です。
青木選手は、日本で活躍した後、渡米。メジャーリーグ6年間で7球団をわたり歩き、2018年、東京ヤクルトスワローズに復帰した選手です。
青木選手は、メジャーリーグでの最大の学びは「マインドコントロールだった」と言います。
青木選手曰く
「アメリカの良さは、選手一人ひとりがすごく自信を持っているところが素晴らしいなと一番感じました。どんなことでも「俺はできる。絶対にできるんだ」という気持ちを持っている選手がほとんどで、そういうマインドの持っていき方はメジャーで得た最大の学びだと思います。」
では、アメリカではなぜこんなにも根拠のない自信を持っている選手が多いのでしょうか?
このことに関しても、青木選手は、こんなことを言っています。
「野球の指導の仕方を見ていても感じましたね。メジャーリーグの監督とかコーチって、どんな当たり前のことであっても、本当にいいところを徹底して褒めてくれるんです。それこそ普通のフライを捕っただけでも褒めてくれるので、はじめのうちは「一応、プロだし。もしかしてちょっとバカにされているのかな?」と思ってしまったくらいで(笑)。でも、それってそもそもの教育の仕方が違うだけなんですね。例えば日本だとエラーをすると、エラーをしたことを責められることが一般的ですけど、アメリカだと「エラーはしたけど早くボールに行こうとしたからいいじゃないか」みたいなことを言われるんです。そういう指導をずっと受けていると、人のマインドって変わるんです。初めはおちょくられているのかなと思った僕でも、1年、2年たつにつれてすごく自信を持てるようになって、「日本とは違う環境だけど胸を張ってプレイできるぞ」というマインドになっていきましたね。」
どうでしょうか?
野球の指導方法に関する話ですが、企業にも当てはめることができます。
日本の企業って、なかなか褒めませんよね?僕も経験がありますが、とにかく叱られました。
どんなに頑張っても、褒められることは少ないのです。
自信というのは、できていることが理解できていることの積み重ねだと思います。
褒めると言う行為は、受ける側が出来ている部分を理解することができるということでもあります。
もし褒めるのが苦手だとしても、出来ていたことを伝えるだけでも効果はあると思います。
ぜひ、やってみてください。
佐藤 洋介(メンバーページへ)
大学(日本史専攻)を卒業後、採用コンサルティング会社・ソフトウェア開発会社を経て、2018年にフリーランスへ。「人材の成長を促し、組織の成長サイクルを加速する」をモットーに、性格タイプ理論をもとにした人材採用領域、研修領域でビジネスを展開。近年は対話型組織、人間学にも注力し、組織に所属する人たち一人ひとりが輝ける場づくりを実践している。…続きを読む
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